箸休め ーわたしの母の話
42歳の一人娘が癌になったなんてことが起こると、家族への衝撃度は凄まじい。
まして「お金はないけど健康だけが取り柄だね!」なんていう家だったら尚更。。
そんなこんなで、母が田舎から飛んできてくれたわけです。
私の母を表すとしたら
「エネルギー溢れまくり」「声が大きい」「デリカシーに欠ける」
「難しいことは考えない」「本は読まない」「寝込んでいるのを見たことがない」
「世話好き」「食い意地がはっている=料理が得意」「大雑把」
といった所でしょうか。
つまり、ケロヨンを発症するような繊細な私とは真逆の性格。
その衝撃的な事件は、転移が見つかった夜に起きました。
仕方ないこととは分かっていても、先を考えると不安しかない。
お布団を並べて横になる母娘。
わたしは昼間についうっかりと、何気なく見てしまった、再発率の%に脳をやられてました。
その怖さを隣にいる母に漏らすと母は「何いってんの。手術成功して全部とったじゃん。もう治ったじゃん。抗がん剤だって予防のためじゃん」と、いまいち、この治療の重大さを分かってない様子。(深く考えないからね・・・)
この不安をわかって貰えないもどかしさを、涙ながらにぶつける私。
「わかってないんだよ!この治療したって私の転移数だと再発する可能性は◯%なんだよ!
再発して転移したら、一気に末期だよ!死ぬかもしれないんだよ!」
「え・・・そうなの、、、(明らかにショックな様子)嘘でしょ・・・」
あぁ、年老いた母に知らせなくていいことを言ってしまった。
言った後に後悔しても遅い。
一度、口から出てしまった言葉はもう取り戻せない。
辛い思いは、せめて自分の中にだけ留めておけば良かった。
本当にごめん、、、、
と深い後悔の念に苛まれている時、私の耳に聞こえてきたのは
「Zzzz・・・Zzzz・・・」
!!!!
寝た?!
嘘でしょ?!
娘、不安で泣いてますけど!?
この時に
「あー悩んでも無駄だな。アホくさ!。私もドラマチックに考えすぎたわー
なるようにしかならん。寝よ寝よ」
って、ドラマチック夢想から醒めたのです。
その時になったら、その瞬間になったら、考えればいいことだなって。
不安で寝れない、ってなっている誰かがいたら、
この話でプッってなってくれたらいいな。。。
大丈夫だよ。
治療はどんどん進歩してるし、治る可能性の方が断然高いし。
%を構成している100人は、私でもないし、あなたでもない。
%と自分は全く別もの。
末期で余命1ヶ月と言われても、治る人もいれば、
初期のステージでも亡くなる人もいる。
わたしはわたし。